「県庁をはじめ公共機関における敷地内完全禁煙」並びに「受動喫煙を防止するための条例制定」を求め知事・県議会議長へ要望書を提出
福田知事へ要望書と共に署名簿提出(知事室)
野田県議会議長へ要望書提出(議長室)
栃木県医師会では平成15年度から継続的に禁煙推進活動を展開しておりますが、本年11月16日、標記の実現を求め、太田会長と尾形副会長が福田富一知事並びに野田尚吾県議会議長を訪問し、要望書を提出いたしました。なお、要望書には、医師会員はじめ県歯科医師会・県薬剤師会を含む関係機関等の協力により寄せられた約22,000名からの署名を添えさせていただきました。
ご協力を賜りました会員の皆さまには、衷心よりお礼申し上げます。また、標記要望事項が現実のものとなりますよう、引き続きのご支援ご協力、よろしくお願い申し上げます。
【要望書全文】
平成22年11月16日
栃木県医師会長
「県庁をはじめ公共機関における敷地内完全禁煙」並びに 拝啓 貴職におかれましては、益々ご清栄にご活躍のこととお慶び申し上げます。 さて、たばこには人体に有害となる4000種以上の化学物質、50種以上の発がん物質などが含まれており、喫煙者ばかりでなく、「受動喫煙」によって、がんを始めとする多くの疾病リスクが高められることは、科学的証拠によって明らかとされています。 県民の健康増進並びに疾病予防のため、様々な活動を展開している本会としては、基本的には禁煙社会の実現が最終目標でありますが、少なくとも、非喫煙者が受動喫煙によって、肺がんや心臓病などの疾病リスクに曝されている事態の解決もなお重要な使命と認識しております。 ところが、県民の禁煙・分煙施策を推進している肝心の県庁舎、さらには議会棟の完全禁煙(敷地内)は未だ達成されておらず、そればかりか、敷地内喫煙所付近では、通行人への受動喫煙防止対策が何ら講じられていないのが現状であります。 近年における県民の禁煙思考(健康意識)は年々高まりを見せており、つい先頃も、本会が宇都宮市内のショッピングセンターで展開した受動喫煙防止キャン ペーンには、多くの県民から賛同をいただくなど、県民の健康を守るため、より一層の受動喫煙防止対策の推進が求められております。しかしながら、現状にお ける健康増進法では、受動喫煙防止措置は努力義務にとどまり、その効果は多くを期待できない状況にあります。 つきましては、県民の健康を受動喫煙 (疾病リスク)から守るため、是非、貴職のご英断と実行力によって、『受動喫煙防止条例』の制定、さらには、県庁をはじめとする公共機関の敷地内完全禁煙 の達成について、何卒ご尽力賜りますよう、ここに、賛同者の署名を添えて要望いたします。 敬具 |
※議長への要望書は、文末の「ここに、賛同者の署名を添えて」を削除した以外同様の文章。
県医師会では平成15年度から禁煙推進を目的とした様々な活動を行っており、当初から実施している「喫煙しない宣言ポスターコンクール(小学5・6年生が対象)」では、初年度が92校からの応募に対し、年を経るごとに徐々に広がりを見せ、昨年度の応募校数は143校となっています。この意義は、喫煙をはじめる前の教育が大切であるということで、是非、公共施設が模範となって、喫煙防止に取り組んでいただきたい。
また、受動喫煙の問題では、肺がんが増加している中で、単純に喫煙者だけでなく非喫煙者も増加していることから、受動喫煙によって引き起こされている可能性が強いと思われます。そういったことを含め、喫煙者・非喫煙者の禁煙対策にご理解をいただき、公共機関の敷地内完全禁煙、さらには受動喫煙防止条例の制定を是非お願いいたします。
受動喫煙防止対策については、県としても健康増進法、あるいはWHOの「たばこの規制に関する世界保健機関枠組条約」等を通じて、取り組みを強化しています。確かに県庁は敷地内禁煙が達成できていないところであり、来庁者への受動喫煙に関しては、私も注意を払っていかなければならないと考えているところです。今回の要望を機にさらに取り組を強化して行きます。また、喫煙の害に関する普及啓発に関しても、県の重要施策として取り組んで行きたいと考えています。
なお、条例については、既に制定した神奈川県を含め、全国で5県が検討中とされています。
本県においても県民の健康をどのように守っていくかということについて、条例制定を含めて考えて行きたいと思います。
間違いなく要望書受け取りました。このことに関しては県議会のすべての議員にお伝えいたします。また、この要望書を誠実に受け止め、可能な限り実行して参ります。
郡市等 | 署名者数 | 郡市等 | 署名者数 |
---|---|---|---|
宇都宮市 | 3,742 | 南那須 | 399 |
上都賀郡市 | 2,037 | 芳賀郡市 | 962 |
下都賀郡市 | 1,618 | 自治医大 | 76 |
小山地区 | 2,200 | 獨協医大 | 151 |
佐野市 | 848 | WEBサイト | 100 |
足利市 | 1,410 | 関係機関等 | 398 |
塩谷郡市 | 4,028 |
その他 | 2,082 |
那須郡市 | 1,831 | 合計 | 21,882 |
10月17日(日)午前11時から午後2時までの3時間、FKD宇都宮店内のメイン通路を会場に、太田会長、尾形副会長、小沼・阿久津両常任理事、森島医師(塩谷郡市)が一般来店者にタバコの害を啓発し、署名活動に協力を呼びかけ、健康相談にも応じた。
当日は、タバコの害を啓発するため、日本呼吸器学会が制作したパネルを展示すると共に、同学会が作成した小冊子「タバコについて考えてみませんか?」から引用した『受動喫煙の害』をチラシとして印刷、ポケットティッシュに織り込み来店者へ配付した(3000個)。また、若い女性には(1)たばこが肌の老化促進に影響、(2)女性特有のがんに対するリスク、(3)ママの喫煙は赤ちゃんにも影響するなど、具体的に分かり易く解説されたパンフレット『15(イチゴ)』、さらに、小さい子供連れのご家族には絵本『やくそく』をそれぞれ手渡した。
「15(イチゴ)」「やくそく」は共に県立がんセンターの神山由香里医師が監修したもの。
なお、肺年齢チェッカーを用いた測定やヤニケン(青少年喫煙問題研究会製造)による禁煙指導も実施した。
この日の活動では、3時間という短い時間ではあったが、405名の方から署名をいただくことができ、当該活動に対する賛意・支援の声も多く寄せられた。