小沼 一郎
令和6年6月15日より第12代栃木県医師会長に選任されました那須塩原市で内科胃腸科を開業している小沼でございます。クリニックは34歳私は70歳になります。
地元の大田原高校を卒業し、順天堂大学医学部を昭和53年に卒業し病理の教室に約6年間在籍し、慢性膵炎の膵島細胞の研究で学位を取得しました。その後消化器内科で6年間勉強してから生家のあった場所で開業して現在に至ります。
「会長業務は忙しいでしょう」友人、知人が心配してくれます。確かに医師会関係、県行政に関する会議や協議会が年間250件ほどありますので、副会長や常任理事に代わっていただいても150件ほどは私が出席しなければなりませんので、平日の午後は県医師会事務所か県庁などにでかけますし、その上、月に2から3回は東京の日医会館やホテルでの会があります。しかし当院の院長はすでに長男に譲っており私が医院を留守にする時には必ず、診療をしてくれていて患者さんに迷惑をかけていないつもりです。
現役の医師であり、同時に医師会の仕事をすることが大切なことだと思っています。さて、現在の栃木県の医療の最大の問題点は医療資源の絶対的な不足です。医師の不足はもちろんですが、看護師不足はもっと厳しい状況です。県立病院の1つでは看護師不足のために約60の病床を閉鎖している状況です。看護協会や、行政とも協力して解消に向けて努力しなければなりません。准看の育成も大切な課題です。
県内で働く医師を増やすことは大切ですが困難です。大学病院に栃木に残ることもいとわないくらい魅力的な教授が多数いてくれることがもっとも簡単な解決策なのですが、それもなかなか適いません。地味ですが地域枠の医師の養成が大切です。現在、年間約16名の地域枠の養成医師が県内で増加しています。今後も県の医療政策課と協力しながら県内で働く医師を養成していこうと思っています。
次は保険関係です。改悪された診療報酬の是正、レセプトの理不尽な査定を無くすこと、厚生局からの不適切な指導などの解消も大切な課題です。
その他、医療DXに対する適切な対応、本年4月から始まった医師の働き方改革が及ぼす本県での影響、地域医療構想を適切に運用すること。など、難しい問題は山積ですが、役員の先生方や事務職員と力を合わせ栃木県医師会は頑張りたいと思います。ご意見がございましたら遠慮なくお申し出ください。